【ファンタジーライフ i】クリア後ちょいネタバレあり感想【グルグル竜と時をぬすむ少女】

ファンタジーライフi グルグル竜と時をぬすむ少女』を無事クリア。

 

プレイ時間:30時間

レベル:50くらい

ライフ:狩人(その他ライフはレベル30前後)

 

クリア後の感想をまとめていきます。

 

■前提

LEVEL5の作品は、『ファンタジーライフ』『ダンボール戦記』のみプレイ済み。そんなに好き好んで作品を買っているメーカーではないが『ファンタジーライフ』シリーズは好き。

 

■総評:8/10(良ゲーの部類)

これぞ『ファンタジーライフ』の正統進化という出来だと思う。シリーズファンなので、十分楽しめた。だが新要素のオープンワールドや街作りなどは詰めの甘さ(露骨なパクリ?オマージュ?リスペクト?)を感じた。

 

■ストーリー:7/10

可もなく不可もなく。子供向けな展開に心地良さすら感じる。浄化される気分。

物語の展開自体は、中盤で薄々気付くレベルには分かりやすく複雑さもない。ちょうどいい塩梅に仕上がっている。キャラデザも相まって癖は強いが不快感はなくエンディングまで進めることができた。多少気になった部分はあるが、まぁ細かいことは気にしないで楽しめた。ゲーム中の大半は採取・制作に勤しんでいるので気にならなかったが、振り返ってみるとメインストーリーはだいぶ短めでムービー多めではある。

 

今時は「各ライフマスターごと個別のサブストーリーがあるのでは…?」と、若干身構えたが、チュートリアル以降はクエスト報告のみの存在になったので胸を撫で下ろした。流石にこの作風とテンションでサブストーリーが展開されたら胸焼けしそうではあった。

 

■育成:9/10

基本的に連打連打連打。あとちょっとしたミニゲーム(全ライフ共通)

「ここの如何にのめり込めるか?」が肝になってくる。人によっては「全部同じやないか!」と投げ出してしまう可能性もあるが、またーり育成が好きな人はとことん好きな作業だと思う。かくいう私がそうである。頭空っぽしにて素材の採取・クラフトは大好物だ。鉱石を採掘し、木を伐採し、魚を釣り、畑を耕し、手に入れた素材で武器防具、料理、薬を作成していく。そして上がっていくライフレベル。これができれば『ファンタジーライフ』に文句はない。

 

私は戦闘職は魔法使い・狩人のみ育成。最終的には狩人一択に。採取・制作は満遍なく育成していった。

もちろん1職だけ極め抜くというロールプレイも可能かと思うが、ストーリー後半で、強制的にほぼ全ての採取作業・クラフト作業を強いられるので、ある程度は育成しておいた方が良い設計になっていると思う。要求レベルの割に簡単な内容ではあったが、サポートNPCのみの力で解決できるかどうかは微妙なラインだと思う(試していないが…)。

そもそも探索をしっかり行わないと、採取職NPCが全然仲間にならないようになっているっぽい。ここが勿体無いと感じた。私も最後のライフ「芸術家」のみレベルが低く、クラフトが成功しなかったので若干レベリングを行った。「余計なことを…」と若干モヤった。

 

■採取・制作:9/10

親指が疲れるルーティンワーク。

おおむね満足なのだが、採取・制作ともに作業内容は同じなのでアクション及びミニゲームにもう少しバリエーションが欲しかったかな〜と思わなくはない。もちろんベースが共通だからこそ没入できる部分ではあるが、長時間遊んでいると若干の飽きは出てくる。「鍛治作業飽きたから味変で大工作業しよー」的な変化が欲しくなってくる。

採取に関して、ボス及びボス素材の5分のインターバルは必要なかったように感じた。要専用アイテムでもいいので、何回も好きなタイミングで挑戦できるようにして欲しかった。一応各マップ最適ルートも組めそうな気はするが、結構待ち時間が億劫になってしまった。

 

あとは拠点にいるときは『ドラゴンクエストビルダーズ2』のように、NPCに農作業を手伝って欲しかった。エア耕しをしてくれるNPCも見かけるが、マジで手伝って欲しかった。種まきと水やりが同じボタンなので、暴発してスムーズにいかないこともしばしば。ワンボタンで9×9マスの種まき水やり、スキルボードで9×9マスの一気収穫解放でも良かったと思う。

 

■ハウジング:5/10

劣化版『どうぶつの森』っぽくてなんとも…。

特に楽しさを見出せぬまま、閑散とした風景に、ベッドのみの部屋でクリアしてしまった…。住み着くNPCの数に比べ、建てられる家の少なさよ…。

私は『あつ森』を何百時間と遊び続け、いまだにクリスマス・誕生日などは森に顔を出している完全キ○ガイの部類なので、『あつ森』っぽいというより完全に「劣化版あつ森」になってしまっていた印象を受けた。エイプリルフールのあの動画は、そういう意味だったのか…。

こだわるプレイヤーも多いとは思うが、設置できるオブジェクトの解放難易度を考えたら、そこまで手は伸びないんじゃないかな〜と思う。カメラワークの制限で街並みを満足に眺められないという点も気になる部分ではある。

 

■戦闘:10/10

そもそも戦闘を楽しむタイプのゲームではないのだが、サポートNPC3人で戦闘は解決しそうなほどの難易度だった。まぁまぁ序盤に感じた通りの緩さだった。

タンク、タンク、アタッカーでNPCを構成し、私は遠巻きに弓を撃つのみ。たまに麻痺・毒でサポートという感じでラスボスもノーコンでクリア出来た。育ったNPCがエグい火力を出すので助かった。

特に不満もなく、というか遠距離職だと本当にボタン連打だけでOKなので、ストレスの溜まりようがない。ただ接近職は程よい難易度になっているかと思う。

 

NPCごとに使用する必殺技が全て固有モーションっぽく「自分もその技使いたいな〜」と指を咥えて眺めていた。親密度MAXで技を継承されるかと思ったがそんなこともなく…。NPCの必殺技の作り込みは結構こだわりを感じた。(ちなみにNPCは過去作から登場しているキャラ多数だが、大昔すぎてほぼ覚えていなかった。)

 

■ガチャダンジョン:7/10

長い。長すぎる。

マルチ前提の作りになっていると思う。試しに1回だけマルチ募集して攻略してみたが、マルチでも長く感じた。

進行度によっては良いアイテムがゲット可能だったり、アイテムの育成ができたりとメリットもあると思うのだが、攻略の長さに見合った内容かといわれたら…。もう少しサクッと楽しめるボリュームが良かったかな〜。

 

オープンワールド(バカデッカーナ大陸):5/10

本作の目玉要素だと思うのだが…。

以前の所感ブログで書いたように、カメラワークによって閉塞感があり、オープンワールド特有のワクワク感はあまり感じなかった。正直あまりいい印象はない。

序盤こそこまめに探索したのだが、中盤以降はあまり攻略も進めず、拠点に篭りメインストーリーを一気に進めたのだが、最後の最後でバカデッカーナ大陸の探索を強いられ、若干テンポが損なわれた感がある。

探索を強いられたというか、探索しないとラスボスがクソ強く(レベル99)なる。試しに挑んでみたが、ダメージは1しか通らずワンパンされ無理ゲーだった。おそらく最強装備に身を包み、レベルも80以上は推奨じゃないかと…。

 

バカデッカーナ大陸のストーリー上での絡め方に若干違和感を覚えた、というか無理矢理ねじ込んだ感はあった。「『ファンタジーライフ』でオープンワールドをやりたい!」という目標だけあって、中身が伴っていない感じ。カメラワークの劣悪さも相まって目を逸らしていたのだが…。そうか半強制だったか…。カメラの上下移動ができれば話は変わってきたかもしれない。

 

徹底的に『ブレワイ』『ティアキン』を意識して作られているとは思うが、無尽蔵なスタミナで高低差をつけられても面白さは感じないことだけはわかった。見えない壁も意外と多く、ライド中に高めの段差を登れないのもストレスだった。作り込まれてはいるのだが採取できるオブジェクトも少なく、オープンワールドである必要性が最後まであまり感じられなかった。

 

またエリアごとのレベル上げが若干苦行じみている。レベルを上げれば上げるほど、強い敵、良い素材が出現するのだが、途方もないほどのエリアイベント・採取を繰り返す必要がある。長時間やり込む前提のゲームデザインなのはわかるが、ここもガチャダンジョンと同じく、もう少しカジュアルにして欲しかった。

 

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というようにファンタジーライフ』の正統進化という感じで、概ね満足な出来だったが所々粗というか苦行もあるように感じた。特にハウジング・オープンワールド部分はもう少し遊びやすくしてほしいかったなーというのが正直なところ。こちとらキャラ育成に手一杯でマップの育成まで手が伸びなかった。

 

ただ何にせよプレイ時間の30時間は「プレイした」というより「溶けた」という表現がしっくりくるくらいには没入できたので、シリーズファンには胸を張ってお薦めできる続編だと思う。最近のLEVEL5の評判的に心配ではあったが、衝動買いして良かったと思っている。多分これからもちょくちょく起動して遊びたいと思えた良作品でした。