【Clair Obscur: Expedition 33】クリア後ちょいネタバレあり感想を書き殴る
『Clair Obscur: Expedition 33』を無事クリア。プレイ時間27時間。レベル52。難易度はノーマル。
思いの外あっさりクリアできた。レビューでもクリアまで30時間目安、やり込み入れて60時間程度、とのことなので、まぁこんなもんかと。
ACT2終了時、ダメージ限界突破のピクトス(装備)が貰えたのでDPSが一気に爆上がりした。今まで「9999」で頭打ちだったダメージが、いきなり3〜4万台まで上がって嬉しい楽しい気分だったのだが、その後の敵のHPが高いのなんのって。
最終的には以下のメンバーでクリアしました。
主人公:自己回復が強力なオールラウンダー
ルネ:エレメンタル・ジェネシスぶっぱのDPS兼ヒーラー
マエル:大体いつも火傷しているDPS兼サポーター
この3名が癖がなく使いやすかった。
あと2名仲間はいるのだが、どうも使用感に癖が強く、システムを理解できなかった&育成方法に難ありで最後までベンチだった。
無事クリアしたので、改めて『Clair Obscur: Expedition 33』の感想を記しておく。
ーーー
■総評:8/10点(良ゲーの部類)
コマンドRPGにアクション要素という一見革新的にみえ、過去に日本のクリエイターがチャレンジしては消えていったジャンルが、海外ゲーマーには目新しく映った「枯れた技術の水平思考ゲーム」でした。
シビアそうなジャストアクション周りも、ビルドでなんとか出来るので間口は広く感じた。ストーリーの後半から合わない人も出てくると思うが、洋ゲーにしてはキャッチーなキャラクター達に愛着は沸いた。UI周りはマジでアプデでなんとか改善してほしいレベルで酷い。
メタスコア92点という高得点は、おそらく新規スタジオの新規作品のため、アンチもいなけりゃ厄介信者もいないというフラットな土壌の結果、お祝儀高得点ではないかと思っている。
■ストーリー:7/10点
面白かった。が、、、個人の好みによる部分ではある。
ACT2の後半までは前のめりで楽しめたが、世界の成り立ち・理の開示後「あ〜、そういう感じだ。」という感想にはなった。結構何でもありの世界だった。
多くを語らない系かと思いきや、カットシーン多め(字幕早い)で世界観が開示されるのだが、核心はあまり掴めず、まさに全てが舞台装置という感じだった。
「あんまり難しく崇高にしなくても良いのになぁ〜」とも正直思ったが、そこもJRPGリスペクトなんだろうか。
そしてラスボス後に選択肢が表示されたのでエンディング分岐があるっぽい。ネタバレになるので詳細は伏せるが、私の選択したエンディングは、結構意味深でちょっと不穏な終わり方だなぁとは思った。クリア後の喪失感が得られるような、上質な終わり方ではなかったとだけは言っておく。(もしかしたら真エンドがあるかも?)
クリア後に「強くてニューゲーム(敵も強い+強いアイテムアンロックあり)」的な選択肢もあるので、改めて分岐先のエンディングを見てみたくはなるが、ワンチャン望みのある「日本語音声実装(?)」まで待つのもありかと思っている。何年後になるか知らんけど。
■キャラクター:9/10点
全然違和感なく楽しめた。おそらくJRPGにありがちなキャラデザだと醸し出せない世界観なので、本作のキャラデザは正解だと思う。
洋ゲーにありがちな、ポリポリ臭ってくるキャラデザではなく、素朴なイケメン・ヒロイン感が親しみやすかった。お気に入りキャラは圧倒的にルネ。
唯一解せないのは、主人公が親密度ストーリーでシエル(未亡人)と情熱的な夜を過ごしたこと。
■グラフィック:7/10点
無印PS5なんでね…。パフォーマンスモードはこんなもんです。
各マップごとのグラフィックは凄まじく丁寧に作り込まれていると思う。ワールドマップのジオラマ感も好きです。
ダンジョンによって、ちょっとライティングが暗い場所は多かったなと感じた。
■BGM:10/10点
圧倒的クオリティー。おそらくボスごとに固有の戦闘BGMが設定されており手が込んでいる。また曲調も多岐に渡り、ラスト周辺は激しめな曲も多く、耳障りの良いBGMが終始楽しめる。サントラが欲しくなるレベルで世界観とマッチしている。
個人的にはBGMとゲームの融和で一番好きなのは『ペルソナ5』なのだが、それに匹敵するかもしれない。BGMに関しては満場一致で良い評価だと思う。
■UI:3/10点
最後までダメだった…。以下UIへの不満点。
1、メニューの煩雑さ
頻繁に触る箇所なのでストレスは半端なかった。最後までメニューカーソルがどこに合っているか分かりにくかった。
2、ミニマップなし
世界観的に未踏の地なので説得力はあるが、先遣隊が何も残していないのはどうなんだ?また、遠征隊と名乗るわりに、パーティー内で誰もマッピングしないのも謎。(ワールドマップはあるのにね。)世界観にこじつけた横着に感じた。
3、戦闘前ロードちょっと長め
ぶっちゃけシンボルエンカウントの回数は、一般的なRPGに比べたら少ない方ではあると思うが、それでも一回一回のエンカウント時の読み込みの長さは気になった。
4、ファストトラベルなし
空を飛べるようになったら可能かと思いきや、ワールドマップでのファストトラベルは実装されていなかった。ちょっと不便。
5、サブイベントリストなし
「このアイテム必要なのどこの誰だっけー?」という状態で宙ぶらりんなアイテムが、インベントリに溢れている…。あっても良かった気がする。
6、乗り物の操作感、頻繁に起きるスタック
ダンジョン内、ワールドマップ問わず結構スタックする。一度だけ進行不能になりちょっと前のセーブデータからやり直した。乗り物の操作感も飛べるまでは若干悪め。
7、セーブ出来ない
セーブ出来ないと言えば語弊があるが、任意のタイミングでセーブは不可で、オートセーブのみというストロングスタイル。セーブスロットも一つのみ。スタック時にちょっと焦る仕様ではある。
セーブスロットを分けられないので、別のエンディングが観たければ最初からしかないのも辛い。(まぁソウルシリーズとかもそうか。)
とにかく、UIで損してんな〜と思うところ多々といった感じ。
■探索:6/10点
あまり探索は出来ていないと思う。もちろんストーリーで立ち寄るダンジョンは隈なく探索したつもりなのだが、それでもアイテムを取り逃がしていないかと言われれば不安はある。
基本的にダンジョンは一本道で短め(シレーヌは1時間ほど迷ったが…。)とはいえ、ミニマップなしの似たような景色の探索は、最終的には苦痛寄りだった。かなり有用なピクストが普通に落ちていたりするのでテンションは上がる時はある。
「こっち正規ルートかな…、戻ってみよう」と思うくらいの分かれ道も、申し訳程度ではあるがちゃんと存在する。
またACT3から空を飛べるようになるので、今まで行けなかったエリアやらダンジョンやらを彷徨ったのだが、軒並み「危険」のアラートが表示された。都度チャレンジしてはみるのだが、まぁ大体は惨敗を喫することが多かった。「危険」のアラートが出ない場所はミニゲームかレコード一枚か、など。総合的に考えると探索のワクワク感は終盤にいくにつれ薄れていったのが正直な感想。
明確な稼ぎポイントも見つけられず、未開の地で出会う的にはワンパンされ、仕方なくACT3のストーリーを進めてみたところラストダンジョンだったようで…。故にプレイ時間が「27時間」というRPGにしては短めな結果に。
ストーリーのみに絞ればテンポは良いが、レベルデザインをちょっとミスってそうな粗さは感じた。
■戦闘:8/10点
戦闘については最初のイメージからだいぶ変わった。
育成周りの話になるのだが、体力・防御を重視してステータスを振り、武器も体力・防御にボーナスが振られている武器を選択。装備するピクトスは「HPアップ」「防御力アップ」をメインに装備し、パッシブスキルは生存系+AP周りメインに固める。戦闘では極力パリィは狙わず回避に専念。余裕がある時のみパリィを狙う。と徹底したところ、難易度はガクッと下がった。
手痛いを回避ミスをしても体力・防御力でカバーすることができた。
「もう全部回避でええやん(黒くなるやつ意外)」くらいの緩さで挑めた。
腕に自信のあるプレイヤーはパリィメインでハイリスク・ハイリターンな立ち回りを、私のようなへっぽこプレイヤーは生存ビルドを、というように戦闘への受け幅は結構広めに設けられていると思った。感心さえした。
ー余談だが敵のディレイについてー
回避・パリィを主軸に置いているので、必然的に敵のモーションは後半にいくにつれてディレイはたっぷりになっていった。昨今のアクションゲームでは当然のように存在するディレイだが、コマンドRPGで実装されたディレイが、ここまでイラッとするとは思わなかった。
アクションゲームでのディレイは、プレイヤーが手数武器を使っているのであれば数手差し込むチャンス、そうでなければ「距離を取る」「盾を構える」「見切りに専念」など、プレイスタイルに対して選択肢はあると思うが、本作ではディレイに対しても「見切りに専念」一択である。
ただただ敵の「殴るぞ〜、今から殴るぞ〜、どっっっこいしょ!」というモーションに付き合わなければならない。
しかも絶妙なタイミングの連撃なども多くあり、初見のディレイなど見切れるはずもなく、一応回避を試みるが、素っ頓狂なタイミングで回避を失敗し手痛いダメージを喰らう。ディレイに対して結構苦笑いが漏れる場面が多かった。まぁ慣れな部分だと思うが、本作はおそらく他のRPGに比べ戦闘回数は少ない方なので、覚えた矢先に次のエリア、次の敵、というようなことも珍しくない。
ゲームの根底を覆すようなことを言えば「ガードボタンが欲しかった。笑」
■育成:9/10点
上述の戦闘で述べたように、育成方針による遊びの幅は広く設けられていると感じた。
私の場合は稀有な例かもしれないが、攻撃スキルは中盤からほぼ変わっていない。それでもラスボスに初見で勝てた。育成アイテムも軒並み余っている。
例えばルネは「野火」から「ロックスライド」でステインを火・地・虹・虹を溜めて「エレメンタル・ジェナシス」をブッパするのみ。場合によって「癒しの光」で回復。というような、至極シンプルな構成で最後までパーティーのDPSとして支えてくれた。
逆を言ってしまえば、私のゲームIQが低く、上位の魔法が癖強めに感じてしまいリターンと安定性を見出せなかった。そんな理解度でもクリアできた。いい塩梅である。
育成に関しての不明点・不満点といえば
・戦闘後、突然武器・ピクトスがレベルアップすることがあり、何がトリガーになったのかが分からない。
・自発的な武器強化は一度も行うことなく終わった。
くらいだろうか。
いずれにしてもシビアな戦闘システムを生き残れるくらいには融通が効く育成システムだった。気が向いたら火力特化ビルドなども挑戦してみたい。
■ミニゲーム:5/10点
正直なくても良いレベル。ネットで出回っているOnlyUp系の他にもいくつか確認したが、イライラしか溜まらないのでどれもクリアしていない。
「制作陣の遊び心」と言えば聞こえはいいのだが、結構ノイズになった部分ではある。
必須と言えるアイテムが報酬として設定されていないことが唯一の救いか…。
ーーー
こんな感じです。
まだまだ遊べる要素はあるので、引き続きGW中にぼちぼち遊びたいと思わせてくれる作品ではありました。